従業員に考えさせる・選ばせる難しさについて
経営者(上司)としての課題
社員が増えてきたときに、経営者・上司である僕が直面した課題がありました。
起業家として単独で行動していた時にはなかった悩みでした。
今回は社員と僕の関わりや、社員に伸び伸びと能動的に働いてもらうために取り組んでいることについて書きます。
「仕事のやり方」を押し付けていたのに、選ばせていると勘違いしていました。
以前の僕はよく、こうやったら仕事が早く進められるんじゃない?とか、こうやったらより多くモノが売れるんじゃない?とアドバイスをしていました。
客観的に見ると、それはアドバイスというより、命令に近いものだったと思います。
だから、「それは社長だからできるのであって、自分にはできないことです。」と社員と意見が食い違うことがありました。
「僕の横にいる人間は、僕のやり方を真似して同じようにやればうまくいく。」
そう思い込んでいるところが僕にはあって、必要以上に自分のやり方を押し付けていました。これでは社員が自分で考えて行動するという経験を積み重ねることができません。
結論を急いでも良くない。
また、経営者と社員は考え方が真逆の時があります。
社員と僕の意見が食い違った時、僕はその社員に思うことを自由に話してもらい、その上で本人に結論(改善策や具体案など)を引き出させるようにしていました。
それが正しい選択に繋がると思っていました。
でも、本人に選ばせているつもりが、実際はそうではありませんでした。
社員からすると「社長に喋れと言われたから喋り、選べと言われたから選んだ」と強制に感じていたのです。
時間のない僕の環境を従業員が察し、結論を急いでしまったとき、それは本人の本音ではないことがほとんどです。
従業員の本音を理解し、歩み寄ること。
人は結論を急がされたり、意地を張ってしまったとき、本音とは全く違うことを言ってしまいそれがその人を追い詰める、なんてことがよくあります。
例えば、営業職の社員が「来月は50件売ります!」と、つい大風呂敷を広げてしまうとき。これはあまり良い結果になりません。
そんな時は僕が「つい宣言したけれど、今の宣言は本当の考えと違うんだよな。」と本音に気付くことができれば、歩み寄りのきっかけになります。
気付くことができたとき、僕は相手の状況や性格などを考慮しながら、別の「尋ね方」でなんとか本音を聞き出すようにしています。
伸び伸びと仕事ができる環境に向けて
今の僕は、自分のやり方を押し付けないように心掛けています。
社員の一人一人が必要以上のプレッシャーを感じずに、大きな目標を掲げられることが大切だと思うからです。
もし目標を達成できなかったとしても、社員は自分を責めるのではなく、何がいけなかったか、次につなげるにはどうしたら良いか、という「その先」を考えられるようになります。
能動的でポジティブな思考回路を持つことが伸び伸びと仕事のできる環境に繋がるのだと思います。
自分が相手を掘り下げることができれば、相手も「この人は自分に歩み寄ってくれている。だから今度から正直になろう。」と思ってくれるはずです。
そうすることで、気持ちに余裕が生まれ、社員(相手)も経営者(自分)の立場になって考えてくれるのではないかと思うのです。