クロマックスボール、初めてのメガヒット

 

メガヒット!クロマックスボール

クロマックスボール100万球のメガヒット
突然ですが、みなさんはキラキラと輝くゴルフボールを見たことがありますか?
ゴルフの経験がある方なら、きっとご存じだと思います。その輝くゴルフボールは、「クロマックスボール」と言います。
ちょっと自慢になりますが、日本で流行させたのは、僕です。

クロマックスボールとの出会い

クロマックスボールとの出会い
僕がクロマックスと出会ったのは2007年です。「あるゴルフ展示会で台湾の工場が怪しい商品を出展している」と知人から聞いたのがきっかけです。「おもちゃ?と間違うようなキラキラのボールがあったけど誰も見向きもしていなかった」と知人は言いました。
「おもしろいかも。」直感でした。
話を聞いたとき、ネガティブな印象は持ちませんでした。斬新な商品の最初の反応はそんなものです。おもしろい、と感じたのは開発肌の父を間近で見ていたからだと思います。そして、直感の赴くまま、すぐに輸入元会社の方に会いに行きました。
クロマックスボール自体は2006年2月には完成していたそうです。だけど販売のためのノウハウもパイプもなく、どうやって日本で売ればいいかと困っていたのです。展示会での反応も良くなかったから「この商品は無理ですよね」なんて、とても弱気になっていました。

「無理」と言われてむしろ奮起

「無理」と言われると反発したくなるのは、中3の夏、ゴルフ部の顧問に入部を直訴しに行った時から変わっていません(笑)。
世間では無理だと言われても、僕にはできると、不思議な自信があり、僕はその場で「クロマックスをブランドとして成長させる」と断言しました。案の定、輸入元会社の方も「そんなことを言ってくれる会社は一切なかった」と驚いていました。善は急げで、台湾の工場に出かけました。
現地の販売イメージは、実にアメリカ的でした。日本だと当たり前の問屋やショップへの販売委託や、宣伝広告に費用を充てるという概念もなく、価格は6球セットで驚きの「1800円。そのくらいの値段だろうというアバウトな価格設定。あまりにも安すぎます。
これには徹底的にやるしかない!と覚悟を決め、アイエム株式会社は晴れて販売元となりました。まずは値段を、、、と1セット2,800円に設定しました。

販路拡大のための露出度アップとイメージ戦略

イメージ戦略
さて、次の問題は「いかにしてクロマックスを広めるか?」です。
そのためには広告です。雑誌やテレビでの露出を高めました。僕がロイヤルコレクション時代に学んだ方法です。
そして、魅力ある商品にするためには、魅力的な人に「魅力がある」と言わせることが大切です。最初の「オモチャみたい」という印象を「かわいい」という印象へと変えるイメージ戦略です。
銀行からの融資資金をつぎ込んで、まずは雑誌に取り上げてもらうところからスタートしました。本格プロモーションを展開したのは2008年からでした。老舗ゴルフ番組シリーズ「原田伸郎の目指せパーゴルフⅢ」にもクロマックスボールを採用していただいたり、東京ギフトショーやゴルフフェアにも出展したり・・・。ブースをかっこよくして、イメージモデルも置きました。ファッション誌「Oggi」にも出るトップモデルさんです。
そのおかげで、「クロマックスボール=オシャレ・プレゼントに最適」というイメージが、たった1年でできあがりました。
流行の兆しに、敏感な全国のバイヤーさんが「仕入れさせてくれ」と依頼が殺到。ちょっと前までオモチャだと酷評されていたことを誰も覚えていませんでした。

爆発的なヒットとなったクロマックスボール

クロマックスボール

わずか2年で、累計100万球。爆発的なヒットとなりました。世間からは驚きをもって受け入れられた証です。もちろん、ゴルフボールとしての中身はプロの大会でも使用できる本格派です。ただし見た目が斬新。まさにゴルフ界の異端児ともいえる存在感でした。
ただ、最後にご報告。利益についてはほぼプラスマイナスゼロ。
広告宣伝費のために受けた融資を返したら高級車3台分のお金がほぼ残りませんでした。
僕としてはそれでも満足でした。5年10年かけて、クロマックスをアパレルまで作れるほどのブランドに育てようという野望もあって先を見ていたので。
だけど人生は面白いもので、その予想とは全く違う方向に進んでいったのです。
そのお話は、また次回に・・・。

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