クロマックスボール、ヒットのその後

 

ヒットのその後

売上アップ,ヒット

前回の「クロマックスボール、初めてのメガヒット」のヒットのその後のお話です。
飛ぶ鳥を落とす勢いとはこれだ、というくらいヒットしたクロマックスボール。
これで会社は安泰、順風満帆と思われました。が、人生一寸先は闇です。
ヒットした2008年。誰だって翌年の2009年に期待します。
私自身、もの凄く期待していました。でも、もっと期待していた人がいたのです。
輸入元の会社の方が提示した2009年の仕入れ予定数は、とても強気な数字でした。
一瞬、僕はためらいました。でも勢いに乗っている今だからこそ、と男気全開で「やりますよ」と口約束したのです。
この口約束のタイミングがまずかったと思います。
その時の季節は冬。そんな時期に先方が発注をかけてしまったのです。

イメージ崩壊からの悪い流れ

イメージ崩壊

「いやいや、冬には売れない。販売は春になってからが常識でしょう。」と説明しても後の祭り。
取り急ぎ仕入れ代が必要だからと輸入元の会社の方が他の商社を引っ張ってきてしまいました。それで一気に話がこじれてしまいました。
さらには他の商社が採算を無視した安売りを始めてしまったものですから、仕入れる側のショップは大混乱です。
「発売元はアイエムのはずなのに、なぜ横から商社がダンピングの話をしてくるの?」となってしまいました。
そうなってしまうと、せっかくプロモーションで築き上げたイメージは悲しいほど瞬間的に崩れ落ちてしまいました。
ダメ押しは原油高による価格の高騰でした。注文は入るけど、いくら売っても利益が出ない状況に陥っていきました。

失敗から学ぶ

気付き

今思えば、私もあさはかでした。
契約をもっともっと細かい点まで詰めておけばよかったのです。
要するに、経営者として未熟だったのです。

しかしながらクロマックスボールでの失敗は、経営者として絶好の勉強になったと思っています。

それに、全国に3000ヶ所あるクロマックスボールの取り扱いショップとの縁は、大きな財産として今も活きています。
また、あのままクロマックスボールの売り上げに依存していたら、そのあとの読売ジャイアンツさんやサンリオさん、吉本興業さんとのコラボ商品開発やLINEビジネスへの参入はなかったでしょう。
もしかすると、そのまま会社が終わっていたかもしれません。
僕が「自分次第で失敗は成功の母になる」と学んだ出来事でした。

可能性は無限。ひとつに執着しすぎないことが大切。

可能性,組み合わせ

「何かと何かをつなぎ合わせれば価値が生まれることがある。」
父からよく聞かされた言葉です。
「A、B、C、D、Eと、たくさんモノがある中で、あるタイミングとある場所ならAとEを組み合わせた方がいい。」
可能性は無限です。
その教えの通り、ひとつのものに執着せず、常に可能性を模索できるような会社で在り続けたいです。

ENOMOTO MINDトップに戻る