なぜクロマックスボールは売れたのか その1

 

ヒット商品への道を振り返る、、、

クロマックスボールのヒットの秘密
まったく知名度がなく、「おもちゃみたい」なクロマックスボール。
評判の悪かった商品をどのようにヒット商品に育てていったのか、少し掘り下げて3回に渡ってお話します。
今、当時を振り返るといくつもの偶然が同じタイミングで起こった気がしています。

偶然その1 ボールの見た目と時代の流れ

女性ゴルファー,時代の流れ
「奇抜すぎる・・・」
このキラキラのボールを見たときの僕の第一印象は、正直この一言でした。
ゴルフの歴史を振り返ってみても「ボールは白色」が当たり前です。
しかし、僕のまわりにいる女性が見ると、「かわいい」「きれい」「おしゃれ」など褒め言葉が多く返ってきました。案外前向きなコメントが出てくるものなのだなと。この女性のコメントが、固定観念に縛られていた僕に新たな気づきをもたらしてくれました。
そして、その時に1つ目の偶然が重なります。
「女性もゴルフを」という流れです。

女性ゴルファーが増えている今、女性の目を引く商品は、僕の中で少しですがヒットの予感を感じさせました。
例えば、センスのある人が持ったり使ったりすれば、「おもちゃみたい」というイメージを覆すことができるのではないだろうか、そしてそれはそんなに難しいことではないのでは?という答えが見えてきました。

偶然その2 ボールの性能とプロの太鼓判

ボール性能とプロの太鼓判
販売するにしても、気になるのはボールの性能です。
見た目が話題になったところで、性能が悪ければやっぱりおもちゃです。爆発的なヒットは望めません。
しかし、誰もが第一印象で「おもちゃみたい」と感じるこのボールは、意外にも「大会で使用できる公認球」でした。
その時に2つ目の偶然が。
僕がアイエム株式会社を設立する前にツアープロ担当として付いていたプロゴルファーの谷原秀人さんが「これは良いボールだ」と、太鼓判を押してくださったのです。
それはそれは、大きな後押しとなりました。
「ヒット商品になるポテンシャルは十分にある。」と僕が確信できた出来事でした。

偶然その3 アイエム株式会社の転換期

会社の転換期
3つ目の偶然は会社の方向性です。
このボールと出会ったとき、僕の経営するアイエム株式会社がまさに転換期を迎えていました。
イオミックのカラーグリップの代理店を主軸に展開していた事業でしたが、カラーグリップの売り上げが伸びていくにつれて全国各地の問屋や代理店が参画してくることは目に見えていました。最も条件の良い代理店だった当社ですが、そこにあぐらをかいていて良いはずはありません。
「このまま数多くの代理店のひとつになってしまっていいのか」という思いが、クロマックスボールへ賭ける気持ちを後押ししたのです。

ボールのマイナスイメージを払拭してしまえば、ヒット商品になるという直感と、このクロマックスボールに賭けて事業をさらに大きくしようという僕の想いがヒットを生み出した最初の原動力に違いありせん。

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