なぜクロマックスボールは売れたのか その3

 

資金を投じた大規模なプロモーション

クロマックスボール広告
今回はなぜクロマックスボールが売れたのかを振り返るお話の第3弾です。
いよいよ最終話です。
クロマックスボールのポテンシャルを嗅ぎ取り、足で稼いだ営業でも一定の手応えを感じたあとのお話です。
営業に奮闘しているとき、銀行からの融資のお話をいただき、資金の確保ができたことで大規模なプロモーションを仕掛けられるようになりました。
プロモーションの軸となったのは、大手雑誌での広告です。
あわよくば・・・無料で取り上げてもらいたかったのですが、さすがにそれは無理なお話でした。
最初の一手は、穴あき広告での掲載でした。
なんらかの事情で埋まらなかった雑誌の広告欄に代替として載せる方法です。
飛行機のキャンセル待ちのような感じですが、通常よりも安価で広告が掲載できるので当時の僕にとってはとてもありがたかったです。
穴あき広告とはいえ、当然デザインにはこだわりました。
商品のビジュアルはインパクト抜群ですから、目を引く広告にすればそれなりの反応はあるだろうと、自信がありました。

一気に広がるプロモーション広告の効果

プロモーション,広告,効果
思惑通り、ひとつ広告を出せば、広告代理店からの問い合わせがドッと増えました。
1つ目の広告掲載から時を待たずして、最旬ファッションやグッズを紹介しているLEONやNIKITAを発行する雑誌社さんからもご連絡をいただきました。
「記事に差し込みたいので、商品をお借りできますか」とお声がけ頂いたのです。
僕にとっては願ったり叶ったりのお話だったので、「それでしたら5名様分を差し上げますので、ぜひプレゼント品にしてください!」と答えました。

本格的なタイアップ広告とイメージモデル戦略

雑誌広告
女性向けゴルフ雑誌「Regina」では、本格的なタイアップ広告を出しました。
見開きにわたるスペースに、ドーンと商品画像を出すのです。
大規模な広告の場合は、エディターさんやスタイリストさんといった広告イメージを考える方が4、5人集結して構成を練るわけですが、予算をしっかり出す分、誰もが真剣に取り組んでいました。
このタイアップ広告を通じてモデルの小泉里子さんを紹介していただきました。
ある撮影現場に立ち会わせて頂きた時、一目で「イメージモデルを依頼するなら、この人だ!」と感じ、撮影後にはさっそく声をかけさせてもらいました。
モデル業の実績は高く、人気も安定し、それでいて業界の中でも自然体で立ち振る舞われている・・・。
この方にイメージモデルを引き受けていだければ、エンドユーザーはおろか、モデル業界にも自然とクロマックスボールが浸透していくだろうと考えたのです。
イメージモデル契約後は、クロマックスのホームページにもすぐに小泉里子さんを登場させて、しっかりと連動させました。
僕の先見の明に間違いはなかった、この判断が正しかったと後になって実感できました。

計算し尽くしたプロモーションで主導権を握る!

チェックメイト,主導権
さて、タイアップ広告とイメージモデル戦略の反響ですが、それはもう分かりやすかったです(笑)。
東京や名古屋など都市圏に暮らすRegina購読者層から、ショップに「ボールないの?」と問い合わせが殺到したのです。
僕にも様々なショップから仕入れ依頼が次々舞い込みました。
それまでは、こちらが頭を下げて何とか置いてもらっていた商品なのに、です。
先方からの問い合わせが増えたということは、主導権がこちらに移ったということを意味します。
例えば、大手量販店に卸す場合は、間に問屋を挟むことが通例でした。
ですが、僕はそのシステムは合理的でないと考えていた
だから広告掲載によってニーズが高まったあとに、「直接取り引きしたい」とこちらの要望を伝え、先方にすんなり承諾を頂けるようになり、僕の思惑通りとなりました。

広告の真のメリットは、こちらがイニシアチブを持って行動できるようになることです。
また、そうなるように仕掛けたプロモーションが、見事にハマったと言えます。

その後、ビクトリアゴルフさん、ゼビオスポーツさん、ゴルフパートナーさん、高島屋百貨店さんなどなど、全国に展開するお店からの注文も増え、クロマックスボールは一気にヒット商品へとのし上がりました。

ENOMOTO MINDトップに戻る